【 お名前 】ピクシー
【 コメント 】ガス問題に関しての丁寧なお答え、ありがとうございました。さすがに、どの新聞よりもよくわかりました。クリスマスカードのことは、ガスより郵便事情だったのですね!郵便事情のことはメディアに出てこないので、目からウロコでした。日本からの郵便も届いていないかも?ですね。クロアチアという国は、ぬるま湯の日本より、たくましい大人の国という印象を受けます。カルロバツの家族(一軒屋です)が、無事に元気に過ごしていることを、遠い日本より祈ってます。
もうひとつ、質問させてください。宗教のことです。嫁の母親が言うには、チトーの時代に、キリスト教(カトリック)への弾圧があって、秘蹟などの形は残っていても、心は離れているように聞きましたが、一般的な国民もそうなのでしょうか?微妙なことなので一概にはいえないことかもしれませんが。
ピクシーさん、どういたしまして!当時は、キリスト教だけではなく、あらゆる宗教が抑圧されていたそうですよ。宗教が否定されると、教会や聖職者の権威が落ち、社会主義・共産主義の指導者たちが堂々と権力を振るえる立場になるわけです。まず、「一般的な国民」の一例として、私の友人(クロアチア人)が体験したことをお話しますね。
彼が幼かった頃は、まだクロアチアが旧ユーゴスラビア(ユーゴスラビア社会主義連邦共和国)の一部だった時代。ある時、学校でふとしたことから神様について話したら、周囲の友達に思いっきり笑われてしまい、それ以来、「みんなの前では絶対に宗教の話はしないぞ!」と心に決めたそうです。そして、子供の世界だけでなく、大人たちの世界でも、宗教の話は禁物でした。なぜならば、宗教に対して信心深くないことが、 savez komunista(共産主義者同盟)のメンバーシップを得るための重要な条件だったからです。
当時は、共産主義・社会主義でない者は会社や組織で昇進できない社会構造になっていました。つまり、このようなメンバーシップを持っていると昇進などに非常に有利だったのです。もしも、共産主義者同盟のメンバーであることを認められた人が、教会に通っている姿などを近所の人に見られでもしたら、通報(密告)されてしまいます。だから出世を目指す人たちは、信心深いことをひた隠しにしなければならず、教会に足を運ぶことも容易にできなかったそうです。ただし、農民などでしたら、話は別。昇進など関係ないですから、共産主義者同盟に参加する必要がありません。
さて、ここまでの話では、宗教に帰依する心を人々が「隠していた」だけであって、心が「離れた」わけではなさそうですよね?権力によって宗教が弾圧されたり抑圧されても、それによって宗教心が簡単にくじけたりすることはないと思います。しかし、心が本当に離れてしまった例がありますので、いずれそれについて書こうと思います。