とじ括弧直前の句点をつけるべきか否か
実は、「クロアチアの童話」ホームページでも、とじ括弧直前の句点をつけるべきか否かで迷っているところなんです。たとえば学校の作文など、手書きの場合には、文の終わりに句点を付けるのが今でも原則だと思います。しかし、出版業界では省かれるのが普通になっていますよね。本屋さんでチェックしてみたところ、比較的最近書かれた作品では、たとえ小学校低学年向きのハードカバーでさえ、とじ括弧の前の句点が省かれているものが数多くありました。一方、かなり昔に書かれた作品で今も読みつがれているようなもの(「大きい1年生と小さな2年生」や「いやいや園」など)は、昔と同様に、句点がついたままでした。おそらく、なんらかの理由で著者の了解を得られない場合、もともとの原稿の通りに印刷されているのだと思います。
ちなみに、「霧のむこうのふしぎな町」(1月26日の日記「霧のむこうのふしぎな町」(1)を参照のこと)の新装版文庫ではとじ括弧前の句点が省かれており、昔のハードカバーでは句点が付いています。「気ちがい通り」を「めちゃくちゃ通り」にすべて置き換える際にも著者の了解を得ているはずですから、句点を省くことも承諾されたのでしょう。また、私の新装版は文庫だから、大人向けということで句点が省かれているかもしれません。
昔のハードカバー(図書館から借りてきました。)
とじ括弧の前の句点あり
新装版の文庫
とじ括弧の前の句点なし
はてさて、私たちはどちらのスタイルをとったほうがよいのでしょうか?!とりあえず、「クロアチアの童話」では、下記の理由から、句点をつけたままにしてあります。
理由1:
日本語を学習中の外国のかたにも読まれていますので、やはり、日本語文の最後には句点をつけるという原則に慣れてもらったほうがよいのではないかということ
理由2:
「クロアチアの童話」は印刷物ではなくオンラインのホームページなので、字数制限や印刷上の見栄えを気にする必要がないこと
あと、「クロアチアの童話」の英訳は、クロアチア語の学習に役立つように、なるべくクロアチア語の原文に近くなるように(つまり直訳的に)してあります。そのほうが、クロアチア語文の構成がわかりやすいからです。直訳では英語としてあまりにも不自然な場合のみ、意訳してあります。
それにしても、小学校低学年向きのハードカバーで閉じ括弧前の句点がない場合、幼い子供たちの頭は混乱しないのでしょうか?(私なら思いっきり混乱しそうなんですけど。)