August 24, 2007

クロアチアで撮影された西部劇




Plitvice Waterfalls
Originally uploaded by drewcom22 on Flickr
前回の日記「日米の子供たちに人気の本とは?」の続きです。子供の頃好きだった本について、クロアチア人の友人に尋ねたときに返ってきたのは、「カール・マイ」という作家の名前でした。か、かーる・まい?いったい誰なんでしょう?

カール・マイ

Karl May がクロアチア人でないことは名前からして一目瞭然ですが(クロアチア語には y というアルファベットが存在しません)、19世紀の終わりごろから20世紀初頭にかけて活躍した、ドイツの作家だそうです。彼の著書「ヴィネトゥ」の日本語版を出版している筑摩書房のホームページによると、「ヘッセ、アインシュタイン、シュヴァイツァーも少年時代に血道を上げて読み耽った、ドイツ国民文学の最高傑作」ということですので、あちらでは相当人気があったようですね。ヴィネトゥという登場人物は、アパッチ・インディアンの勇者。カール・マイの冒険小説の舞台はアメリカ西部だけでなく、オスマン帝国領域や中東、中国など多岐に渡っています。1960年代には、それらがヨーロッパで次々と映画化されました。そして、そのロケ地の多くが旧ユーゴスラヴィアなんです。クロアチアのプリトヴィツェ湖沼群でも撮影された西部劇とはいかなるものなのか?!あそこでネイティブ・アメリカンが駆け回る光景をちょっと想像すると・・・とっても興味が湧いてきました。

というわけで、旧ユーゴスラヴィアでもカール・マイの小説はとても人気があったそうです。先述の友人(年齢は20代)は、子供のころお父さんに薦められて読んでみたらおもしろくて、どんどん読んだと言っていました。でもこれは子供のために書かれた児童文学ではなく、大人のために書かれた大衆小説です。ずいぶん大人びたものを読んでいたんですねぇ。この友人は、公共図書館から本来2冊を2週間借りられることになっていたのが、とても読書家だったので、司書さんの特別な計らいにより、7冊ぐらいまで借りられるように許可されていたいたそうです。なんだか、フランク・マコートの幼少時代と似てますね!(→ 過去の日記「『アンジェラの灰』とキリスト教の聖人たち」を参照のこと)

→ 次の日の日記「カール・マイの魅力」に続く

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