ユーロのスペルを正式な「euro」にすることを決定 スロベニア (Excite ニュース)
というニュース記事(ロイター)をご紹介しました。
スロベニア共和国議会は木曜日、満場一致で欧州統一通貨のスペルを現在まで使用されてきた「evro」から、正式な「euro」に変更することを決定した。(前後略)
スロベニアではどうして evro だったのか、ちょっと調べてみました。答えは単純明快。スロベニア語で「ヨーロッパ」は、Evropa と綴られるのだそうです。英語では Europe なので euro、それが Evropa なら evro になるのも自然なことですね。
スロベニア語は南スラヴ語系です。同系のクロアチア語やボスニア語やセルビア語ともよく似ています。実際、セルビア語でもヨーロッパは Evropa なので、ユーロのことは evro(エヴロ)と呼んでいるそうです。ただし、セルビア語は公式的にはキリル文字表記ですから、евро と綴られます。もしもセルビアがEUに加盟したら、euro にするのか evro のままでいくのか、注目したいと思います(笑)
クロアチア語を勉強していて気がつくのは、母音が2つ続く事があまり好まれないというか、発音しにくいようなんですよね、それでスロベニアやセルビアでは Evropaになるのではないかなと私は思っています。また、南スラヴ語系の U (ウ)の発音は、日本語のウよりもかなり強くて、口を小さく尖らせてウーと言います。これで試しに、euro (エウロ)と言ってみてください。Rは思いっきり巻き舌(イタリア語のようなR)にして。R の前の U(ウ)の 音が、自然と V(ヴ) に近くなるのが感じられますでしょうか。
さて、クロアチア語ではどうなのかといえば、ヨーロッパは Europa と綴られますから、ユーロも本来の euro (ただし発音はエウロ)です。クロアチアでは、外来語はなるべく外国のままの綴りを保つというのが慣例です。なので、たとえば、ハリー・ポッターはクロアチア語では Harry Potter で、セルビア語では Hari Poter になるという違いが出てきます。(参考:クロアチア語とセルビア語の違いを簡単に見分ける方法!(1))
最後に、ボスニア・ヘルツェゴビナではどうかというと、一般的には クロアチア語と同じように euro (エウロ)です。ただし、セルビア系の地域ではセルビア語が使われるので evro と言われているようです。