February 25, 2006

クロアチア語の呼格について



「クロアチア語を教えて!」に、文法のまとめ:名詞の呼格を追加しました。人の名前を呼ぶときも呼格が使われます。しかし、地域によって変化のしかたが違うみたいなんですよね・・・。例えば、Mara さんという女性を呼ぶとき、英語だったらそのまま Mara! と呼びかけますよね?クロアチア語ではそれを呼格に直さなければいけません。語尾を少し変えるだけですが、Maro! と言う地域もあれば、Mare! となる地域もあるのだそうです。

クロアチアの女性のファーストネームは a で終わるものが多く、普通の名詞でも a で終わるものはほとんどが女性名詞となります。基本的に、a で終わる女性名詞を呼格に変える時は語尾を o に変えますから、文法的な理屈から言えば Maro! と呼びかけるのが普通です。

一方、子音(a i u e o 以外)で終わる男性名を呼格に変えるには、語尾に e をつけます。例えば、Igor(イゴル)さんを呼ぶときは、Igore!(イゴレ!)と言います。おそらくこれが混同して、女性名でも(本来の o ではなくて)e にする地域があるのかな、と思います。

複数のクロアチア人に聞いてみたところ、意見がバラバラなんです(^^;)

ヘルツェゴビナ(ボスニア・ヘルツェゴビナの南部)・・・Mare!

ボスニア(ボスニア・ヘルツェゴビナの北部)・・・ Maro!

ダルマツィヤ(クロアチアのアドリア海沿岸部)・・・ Mare!

という結果でした。また、人によっても違うそうです。例えば、ボスニアに住んでいる Mara さんが、現地で普段は Maro! と呼ばれているとします。でも、Mara さんの両親がクロアチアのダルマツィヤ地方の出身だったら、子供を Mare! と呼んだりするわけです。Mara さんの友達はいつもそれを耳にするので、 Maro ではなく Mare! と呼び始めます。

また、名前それぞれによっても違います。ja や na で終わる名前は、そのままの名前で呼ばれることが一般的なので、Lucija さんは Lucija! のままですが、地域によっては Lucijo! と呼びます。Lucije! にはなりません。

母音で終わる男性名はそのままで、Ivo さんは Ivo! と呼ばれるのが普通ですが、ダルマツィヤ地方では Ive! になるそうですし・・・このほか、例を挙げればキリがないくらい続々出てきます。

というわけで、ホームページには基本的な形を載せましたが、人や地域によっていろいろ違うということをお知らせしておきます。

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