November 27, 2005

モスタルに完成したブルース・リー像が意味するもの



11月26日(土)、世界初のブルース・リーの銅像がモスタル市に完成しました!写真で見るとなんだか小さく見えますが、等身大だそうです(1メートル68センチ)。

ニュース記事と写真は下のリンクで見られます。
Bosnia unveils Bruce Lee bronze (BBCニュース)

別の角度から見ると、こんな感じ。(すごいアングルですね・・・。)
Bosnian town erects world’s first Bruce Lee statue (ロイター)(追記:リンク切れ)

また、世界で2番目となる香港のブルース・リー像は、翌日(ブルース・リーの誕生日にあたる11月27日)に公開されます。

香港の銅像の製作中の写真はここ。
Bosnia to ’beat’ Hong Kong with Bruce Lee statue (AFP)(追記:左はリンク切れ。同じ写真がこちらで見られます。公開前の、11月23日の写真。 )

もともと、モスタルの計画のほうが香港よりもずっと前に始まり、モスタルの人々の同意や市からの許可、資金集めなど数多くの問題を乗り越えての完成だったので、「世界初の」というタイトルが欲しかったみたいです。

ほぼ同時に出現したこの2つの銅像が比べられるのはしょうがないでしょうね。ポーズとしては、香港の銅像のほうが動きがあってかっこいいかななんて、最初の一瞬は思ってしまいました。しかし、この銅像の役割は全然違うものです。香港のほうは、ちょっと触ったら足蹴りが飛んできそうな感じです。一方、モスタルの方は、戦いの準備は出来ているものの、「ちょっと待て、攻撃するまえによく考えてみろ。」と示唆しているかのよう。大学で哲学を学んだブルース・リーの精神的な部分を強調し、モスタルの平和のシンボルとしての役割を体現したポーズだと思います。

戦争中は、虐殺と虐待が民族浄化の名のもとに正当化され、残虐な行為が繰り返されていた場所です。万が一、この地でまた争いが起きたときに、この銅像を見た人が少しでも立ち止まって真の正義の意味について考えてくれればいいと思います。

ちなみに、モスタルのブルース・リーの銅像は北を向いて立っています。モスタル市では(ネレトバ川を境にして)東側にムスリム人が住み、西側にクロアチア人が住んでいるので、どちら寄りでもない北を向いているのだそうです。

モスタルにブルース・リーで、やっぱり正解だった! に続く

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