例えば、昨日の日記でも話題に取り上げたモスタル市のホームページ。クロアチア語とボスニア語で書かれています。しかし、モスタル市はボスニアではなくて、ヘルツェゴビナのほうにあります。だから、厳密に言えば地理的にモスタル市民はボスニア人ではない。本当はヘルツェゴビナの人(Hercegovac/Hercegovka) なわけです。
また、モスタルの人口の大半はクロアチア人とムスリムの人(イスラム教徒)であり、ホームページもこの二民族のためにクロアチア語版とボスニア語版が用意されています。(追記:2005年当時はそうなっていました。)とすると、クロアチア語はクロアチア人の言葉で、ボスニア語はムスリムの言葉ということになります。(ボスニアの人である必要はない。)
しかし、確かにボスニア語はボスニア地方に住んでいる人の言葉でもあります。ボスニアにはムスリムだけでなくクロアチア人やセルビア人も住んでいます。だから、ボスニア語を話す人が必ずしもムスリムというわけではない。
うーん、複雑ですね!!
話をまとめると、ボスニア語を母国語とする人は下の1か2のどちらかにあてはまる人です。
1、ボスニア地方の人(またはボスニア地方出身の人)
2、南スラブ系のムスリム(ボスニア出身である必要はない。)
そして、典型的なボスニア語の話者といえばやはりボスニア出身のムスリムです。ボスニアに住むクロアチア人が話すのは「ボスニア語+クロアチア語」となります。つまり、ボスニア語っぽいクロアチア語(または、クロアチア語っぽいボスニア語)という感じになります。ボスニアに住むセルビア人の言葉も同様に、ボスニア語に近いセルビア語になります。
⇒ ボスニア語を話すのは誰?(2)へ続く