先日の日記「
地雷とクラスター爆弾」において、クロアチアやボスニア・ヘルツェゴヴィナの地雷について書きましたが、実際にはどこに埋まっている(いた)のでしょうか?今日は、地図で見てみます。
バルカン半島の地雷地図
まず、国連の地球資源情報データベース(GRID)で、バルカン半島の地雷地図を見ることができます。
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バルカン半島の地雷地図(GRID, 2003年5月)
現在の国境やボスニアにかなり集中していますが、クロアチアにもたくさん埋められていますね。ほかに、下のサイトでも別の地図が見られます。地雷の除去が行われた場所もマークされています。
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地雷地図 (アメリカのジェームズ・マディソン大学のMine Action Information Center)
もう少し新しい地図では、セルビアとその周辺(コソボ、モンテネグロ、マケドニア、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナなど)で、公害を引き起こすような産業、水質汚染、地雷の地域をあらわした地図なんていうのもあります。
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有害産業、水質汚染、地雷の地図(GRID, 2007年)
世界の地雷地図
そして、地雷の世界地図。
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地雷とその他の爆発物が災害を引き起こす可能性がある地域 (GRID, 2005年)
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地雷地図 (ニューズウィーク, 2002年, アメリカ国務省のホームページより)(追記:リンク切れ)
なんだか、世界の半分以上の国に地雷が埋まっている(いた)ように見えます・・・。次の記事によると、まだ、世界に1億個以上が埋まっているそうですよ!
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「悪魔の兵器 地雷の恐怖」 (毎日新聞のコラムより、カンボジアの地雷について。2008年2月)(追記:リンク切れ)
クロアチアの地雷
上のニューズウィークによる世界の地雷地図(2002年)によれば、1990年代の独立紛争の頃、クロアチアには約100万個の地雷が埋められていたということです。その地雷の集積度(単位面積当たりの地雷の数)は世界で最も高く、特に、スラヴォニア地方の西部と東部、そしてクライナ地方に多く埋まっていました。
地雷が埋められた場所は、畑や草地、農家の周り、道路沿い、送電線付近などで、その地域の農耕はほとんど不可能に・・・。(スラヴォニア地方は、農耕に適した肥沃な土地で知られています。)1990年から1999年の間、年に平均128人が地雷の犠牲者になりました。2000年には、30人の犠牲者が出たそうです。
いまは、地雷の除去作業がすすんでいますから、状況は改善されていると思います。それでも、
Landmine Monitor Report 2007 (追記:左はリンク切れ。
新リンクはこちら)によれば、2005年には地雷により1人が死亡、11人が怪我をしています。ちなみに、同サイトでボスニア・ヘルツェゴヴィナをみると、2005年の犠牲者は、死亡者18人、怪我人が17人。やはり、そのうちのほとんどが一般市民となっています。
また、
Landmine Monitor Report 2006 (追記:左はリンク切れ。
新リンクはこちら)によれば、オランダ人旅行者がクロアチアのVis島で山登りをしていたところ、地雷を踏み左足を失ってしまいました。当時(2005年7月)、ここは地雷の危険地域としては指定されていなかったとのこと。
地雷の標識
地雷を警告する標識にはいろいろな種類がありますが、これもそのひとつ。NE PRILAZITEは、クロアチア語で「近付かないで!」というような意味です。この標識を見たら、足を踏み入れないようにしてください(´□`)
参考:
危険を顧みず、地元民が自ら地雷除去 - クロアチア (2006年09月15日、AFPBBニュース)(追記:リンク切れ)